春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり(西行)

春霞の東大寺、花吹雪の中で描きました。
去年の桜散る頃、父が写生から帰ってきて、描いてきた絵を見せてくれました。白っぽいもやもやした絵だなーと思いました。

今、あらためて見てみると、この絵は、春風の匂いにつつまれた、あたたかい空気が胸いっぱいに広がるような絵でした。

散りゆく花びらのなかに、本物の花びらが混じっています。
わかりますか?→拡大画面で探す。絵をクリックしていってください。

春の日のいい匂いまで画面にとどまりますように

世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(在原業平)

訳:もしこの世の中に、まったく桜というものがなかったならば、さぞかしのんびりした心で春を過ごせたであろうになぁ。桜のことが気になって仕方がない。桜とは心騒がせるほど美しい。

少し違う意味ですが、父も桜を描くのに大忙しの今日この頃です。

器の柄は筍ですよ。ゴ○○○ではないですよ。

桜の花びらの微妙な色合い、その薄さを表現するのが難しいそうです。

優しい色合いでまとめて

at 14:54, 初絵, 風景画

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季節の楽しみ

 今、アトリエに飾ってある絵を紹介します。
       

琵琶湖・近江舞子水泳場の夏の風景です。

「三年ほど前に、湖北を描いて欲しいという注文で、琵琶湖に出かけました。その道中、松原の美しさにひかれて車を止めました。
浜辺に出てみると、まさに 白砂青松 。
水泳を楽しむ人々がにぎわい、その背景に松林がのび、遠くには比叡の山々が見えています。
日陰もなく、暑い日差しの中での制作でした。
夏になると、この絵を出して掛け変えます。      清明」

 衣替えをしたり、旬のものを食したりする楽しみがあるように、壁に飾った絵も季節のものに掛け変えるという楽しみがあります。
好きな絵をいつもそばに飾っておくというのも一つの楽しみ方ではありますが、季節によって、また気分によって時々絵を掛け変えると、新鮮で輝いて見え、とても生き生きとした気持ちを与えてくれます。

 父の風景には人の温もりを感じます。たとえ画面の中に登場人物がなくとも、人の生活のにおいがします。
 絵というのは、映画のようにあらかじめ作られたストーリーを展開させて楽しませてくれるものではないけれど、絵を見たとき、心の中に物語が浮かび、音楽が流れるような絵でありたいというのが、父の風景を描く思いです。

 うちでは、お客さんによっても、その方の出身地の絵があればその絵に掛け変えてお迎えしたりしています。


「瀬戸の海」 −父の故郷、岡山県笠岡市神島です

at 10:31, 初絵, 風景画

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