池田清明の油彩画教室

春になりました。

桜

淡い柳の緑色の敷物に、菖蒲の紫のふくさ、器の藍、そして桜色。
春の色でまとめた桜の作品です。


さて、この4月より、「池田清明の油彩画教室」と題しまして、誌上講座の連載がスタートしました。
雑誌「一枚の絵」で、毎月4ページの連載です。

以前にも、この雑誌「一枚の絵」で、約3年間の講座を担当しました。

ずっと見てくださっていた方々、ありがとうございます。
このときは人物画のみの講座でしたが、この度は、人物画のみならず静物画、風景画も展開していきます。そして、基本的には変わりませんが、何か変化があるかもしれません。前回からは約7年が経ちますので、今の池田清明の絵と描き方を紹介します。

見逃した方々、その時の連載を一冊の本にまとめた「池田清明の人物画テクニック」が発売されています。人物画の教材として段取りを踏んだ内容となります。よろしければこちらも御覧ください。

「一枚の絵」はこちら↓
http://www.ichimainoe.co.jp/cover/index.html


「池田清明人物画テクニック」はこちら↓
http://www.ichimainoe.co.jp/artshop/doe_700001.html

at 20:36, 初絵, 出版

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河内国昭さんの画集

今日は河内国昭さんの画集を紹介いたします。



立派な装丁の表紙を開けて、1ページ2ページとページをめくっていると、ふと油絵の具の匂いがしました。
ドキっとしました。
正体は印刷インクの匂いなのですが、河内さんの絵の生き生きとした筆遣いと絵から伝わる新鮮な空気に、私は、今写生から帰ってきて合わせていたキャンバスを開いて見せてくれたかのような、まだ乾いていない絵の具が香るようなそんな錯覚におちいったのでした。



京都市西京区にお住まいの河内国昭さんは、その生涯を通して、京都西郊乙訓地方の風景を写生しておられる絵描きさんです。
乙訓地方とは、南は大山崎、北は嵐山にいたる、京都市の西数キロメートルに渡る地域だそうで、長岡から桂、大原野あたりは京都でも比較的開発の波がゆるやかで昔の美しい面影をとどめているそうです。



嵐山、桂、大原野。源氏物語などに登場する風流な地名ですが、河内さんの絵のなかのそれらは、「昭和」の風景。
河には鉄の橋がかかり、電信柱が立ち、駐車車両がある。



それは、理想郷などとは程遠く、ただありのままの、町内の、街外れの川原の、山の方の柿畑の風景です。それがなんとも懐かしい気持ちを思い起こさせてくれるのは、まさに私達が生まれて育った昭和の時代であり、生活してきたその場所を題材にしてるからなのだと思います。



ちょうどお友達がいたので、この画集見て何を思う?
と聞いたら、「なんだか子供の頃の夏休みを思い出す」と言いました。
日が傾き、影が長くなり、うんと遊んだ一日が終わります。
おなかがすいたな、今日のご飯はなんだろな。
そんななにげない感情を思い出させてくれる、「ぬくもり」を感じさせてくれる絵です。



さて、父と河内さんとのご縁ですが、昔から共に一水会に出品しておりました。ですが特に接点はなく、親しくさせていただくようになったのはある時、河内さんが父の個展にいらしてくださったのがきっかけでした。
何度か写生旅行を共にし、河内さんを知るほどに思ったことは、絵を愛する心と、自然の中で対象を取り組む姿勢の尊さだと父は言います。
京都大学工学部航空工学科の修士課程を卒業され、絵を描くために定時制高校の先生という職を選び、昼は風景画の製作に、夕方から定時制高校の生徒達に数学、物理を教え、また美術倶楽部の顧問として指導されるという生活を退職されるまで続けられました。



もしかするとロケットを打ち上げたりしてるかもしれなかった河内さんが、こうして西京の平凡な自然を毎日キャンバスに留める。
絵に対する情熱に感じ入ります。



また、河内さんは、師である井垣嘉平氏の作品を遺族より預かり、その功績をより多くの人に紹介したいと遺作展をされ、さらには自宅に「井垣・河内アーチストホーム」を設立しその作品を展示しておられます。



デッサンの力量、構図の確かさ、その人柄を物語るような優しく誠実な絵。



父は河内さんをとても尊敬しています。


河内国昭 作品集
価格 8,500円(送料込み・お求めはアーチストホームまで)

アーチストホーム 
京都市西京区大原野上里勝山町11-10
(阪急電鉄京都線「東向日」駅より阪急バス64番「勝山町」下車バス停前)
 TEL:075-331-3323
 開館:土曜、日曜日 午後1時〜4時










at 20:57, 初絵, 出版

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「花嫁」

「美術の窓」7月号
美術の窓7月号巻頭特集、“アートで出会う美しい女性たち”に父の記事が掲載されました。
(ブログを書くのに慣れなくてしどろもどろしているうちに8月号が出てしまいました。。。見逃した方へここで全文を紹介いたします。)
記事では、掲載作品についての文章と好きな女性像Best3をあげています。

2006年日展出品作「花嫁」 
「花嫁」全体画像を見る→http://www.ikedaseimei.com/gallery/index.htm

いきいきとしたいい表情は見る人の心をとらえる

 自然を見えたままに写生する私のスタイルでは、被写体がそのままで絵になっていることが好ましく、製作はまずモデルの衣装、ポーズ、背景、光の状態等を絵になるようセットする作業から始まります。それをどう切り取るかが構図で、いい舞台設定ができ、いい構図になれば、自ずと制作意欲が沸いてきます。
 女性像に限らず、人物画ではなんといっても先ず顔に目が止まります。いきいきとしたいい表情は見る人の心をとらえます。したがって、顔を描きこむ中でモデルの持つ魅力的な個性を発見し、それを表現するよう努めます。
 掲載作品は、昨年嫁いだ長女の花嫁姿です。夏の窓辺で陽焼けを気にしながら何日もモデルをしてくれました。季節がうつろい、光の変化にともなって肌色やドレスの色調が変わり、それを追いかけながら描きこみをしていったことを懐かしく思い出します。

好きな女性像Best3     
Best1 エドワール・マネ「黒い帽子のベルト・モリゾ」
Best2 小磯良平「ダンサーズ」
Best3 中山忠彦「繍衣」



 父の文章にも書かれていますが、私(長女・初絵)は昨年夏に結婚いたしました。
結婚式はパリ郊外の小さな教会で。
石造りの、ステンドグラスが素敵な教会です。
シルクのウエディングドレスに包まれ、幼いころから夢見ていた結婚式そのもので、とっても幸せでした

 写真はバージンロードの上で、父が私の手を新郎にわたすシーン。
幼いころから父のモデルをしながら、ずっと父の側にいた私にとって、父の手をはなすのはとても寂く、父への思いがぐっとこみ上げる瞬間でした。


 家族・親戚と、父の絵画教室の皆さんが来て下さり、一緒にお祝いしてくださいました。

 そういうわけで、いつも身の回りの生活から題材を見つける父の2005年第37回日展作品のモチーフは私の花嫁姿となりました。
7月から10月の出品まで、ウエディングドレスを着てモデルをしながら、娘時代の幸せが絵の中に留まるようにと願いました。
 後の日展ガイドに掲載された父の文章で、
"人物画を描く私のもとに生まれた長女は、幼いころから当然のようにモデルを務めてくれました。その長女が、この夏嫁いで行きました。今までで一番華やかな顔を描いてやろうと意気込んで取り組みました。幸せな人生を歩んでほしいと願いながら。"
とありました。
 「花嫁」は思いの詰まった、記念の作品になりました。

 日展は約一年間かけて、各地を回ります。第37回日展はただ今、福岡市立美術館にて開催中です。

福 岡 平成18年7月8日
       〜平成18年7月23日 福岡市美術館
弘 前 平成18年9月16日
       〜平成18年10月9日 青森県武道館

at 16:28, 初絵, 出版

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