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池田清明の人物画テクニック DO繪シリーズ
池田清明の人物画テクニック DO繪シリーズ
池田 清明
月刊誌『一枚の絵』の連載をもとに、絵の具の種類から100号大作の制作手順にいたるまで、人物画を描くテクニックを、わかりやすく一冊の本にまとめました。
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アトリエ便り

春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり(西行)

春霞の東大寺、花吹雪の中で描きました。
去年の桜散る頃、父が写生から帰ってきて、描いてきた絵を見せてくれました。白っぽいもやもやした絵だなーと思いました。

今、あらためて見てみると、この絵は、春風の匂いにつつまれた、あたたかい空気が胸いっぱいに広がるような絵でした。

散りゆく花びらのなかに、本物の花びらが混じっています。
わかりますか?→拡大画面で探す。絵をクリックしていってください。

世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(在原業平)

訳:もしこの世の中に、まったく桜というものがなかったならば、さぞかしのんびりした心で春を過ごせたであろうになぁ。桜のことが気になって仕方がない。桜とは心騒がせるほど美しい。

少し違う意味ですが、父も桜を描くのに大忙しの今日この頃です。

器の柄は筍ですよ。ゴ○○○ではないですよ。

桜の花びらの微妙な色合い、その薄さを表現するのが難しいそうです。

優しい色合いでまとめて

| 季節 | 14:54 | - | - |
母子像
昨年春、故郷の笠岡第一病院が増築されて、ロビーが新しくなりましたそのロビーに絵をかけたいとのことで、院長先生よりお電話を頂戴しました。
病院のロビーという大きな場所なので、50号くらいの作品をとのことです。
どんな絵をかけたら、病院の方々や患者さんたちが喜んでくださるだろうと考えました。
ちょうどその頃、姫路の画廊での母子像展のためのいい作品ができたばかり、あっ!とひらめきました。



命の現場である病院に、母子像という、究極の愛と生きる力をテーマに描いた作品は最適ではないか。
姫路の展覧会での作品は、10号の小さな作品でしたが、もう一度モデルになってくれた母子にお願いして、同じような構図で50号の大作を描くことにしました。

姫路の森画廊の森崎さんに母子像をと頼まれて、ちょうどいい赤ちゃんを探していると、2ヶ月前に娘さんに赤ちゃんが産まれたという方がおられました。
あるお天気の良い日、娘さんと、まだ首の据わらない赤ちゃんを車に乗せて、アトリエまで連れて来てくださいました。
赤ちゃんは男の子、とても大きな赤ちゃんでした。
陽(まお)くんと名付けられたその名の通り、落ちそうなほっぺたをプルプルさせていつもご機嫌に笑います。

いつもご機嫌さんのかわいい陽(まお)くん

母子像といえば、やはり乳をやる姿がいいものです。ですが、他人の娘さんに目の前で乳をやってくれとはなかなか言えません。。
すると、その知人の方も絵を描かれるので、娘さんも絵にとても理解があり、恥ずかしがらずにすすんで乳をやる姿を描かせてくださいました。

私が、父の代わりに、恥ずかしくないですか?いいですか?と聞くと、
「授乳マシーンですから大丈夫!」と、おもしろく言って下さり、
その気さくな対応で、とてもなごやかな楽しい雰囲気ができました。

天使ちゃん

最初に来てもらったときは、まだ与えられるがままにおとなしく乳を飲んでいたまお君でしたが、二作目を描き終える頃にはもう、自分からせがむように勢いよく飲むようになっていました。
日々成長する赤ちゃんとは、見ていて本当にたくましいものです。

絵を描いているときに父が驚いたように言いました。
「赤ちゃんとはよく言ったものだ。肌の色がお母さんと比べるととても赤い。」
パレットの上で肌の色をつくっているとその違いがよくわかるようです。



姫路の画廊での母子像展に見にこられた産婦人科の先生が、この絵を見て、
お母さんが赤ちゃんの手を握ってあげているのが、とても自然で真実味があると言ってくれたそうです。授乳時に手を握ってあげると赤ちゃんは安心するそうで、まお君とお母さんの自然なしぐさをそのまま描いただけに、お母さんの愛情が絵に写ったのですね。

笠岡第一病院のロビーに絵がかけられた様子です。理事長先生ご夫妻と記念写真を撮りました。

右が、優しい理事長先生、左が小児科医の奥様。中は父と母です。

手前がロビー、患者さんたちは絵の前を通って病棟や診察室に行きます。

広々とした病院ロビー


ちょっと大きくなったまお君。 ほっぺは健在です。

| 出会い | 22:50 | - | - |
いつまでも美しく
ある方からお手紙をいただきました。お友達である女医さんの肖像画を描いてほしいということです。

その方は父に、
「とっても華やかな女医さんで、先生の絵になったらどんなにか素敵だろうと思いまして、提案いたしました。」と。

そして女医さんには、
「それはそれは素敵な女性像を描かれる絵描きさんがいらっしゃるので、先生の肖像画を描いてもらうことができたら夢のようですね。」
とおっしゃって下さったそうです。

お手紙が届いたのはとてもタイミングのいい頃、ちょうど日展と一水会の制作が終わる頃のことでした。
夏から初秋にかけて、二つの展覧会に出品する絵を集中して描くために、父は他の絵を一切描きません。
夏の制作が終わる頃は、ちょうど精神的にも余裕ができ、アトリエから抜け出して新しい仕事がしたいときなのです。

お会いするとびっくり、肌が透けるように白く、女優さんのように美人な女医さんでした。
また、肖像画の実現を大変に喜んでおられ、クリニックでの白衣姿を一枚と、おうちでの普段着のお姿を一枚、合計二枚の絵を描くこととなったのです。じっとしてることには慣れませんとおっしゃりつつも、一生懸命モデルをしてくださいました。

『Dr.Yoko』

拡大画面で見る

『照葉(てりは)』

拡大画面で見る

「照葉(てりは)」とは、秋の季語で、
〜葉が木の紅葉したものが日光に美しく照り映えていること〜
という意味です。描いた季節、そして先生のお名前、葉子さんにちなんで。
そして、大学生の息子さんがいらっしゃるとは思えない若く美しく輝いているお姿からタイトルをつけました。

明るく清潔なクリニックのロビーにて、絵の披露パーティーがありました。ご紹介いただいた方も東京から駆けつけてくださり、そして先生のご主人様とお友達、従業員の方々、うちも家族でおじゃまして、楽しい会となりました。
   
先生の横に写っておられるのがご主人様です。
おしゃれで素敵なご夫婦でしょう。

先生のようにいつまでも美しくいたい方はこちら(笑)↓
http://www.hashikata.com/
| 出会い | 19:24 | - | - |
ブーム
今日は、最近の我が家のブームをご紹介いたします。

父の血を引き継いでなかなか手先は器用なのです。

発端は祖母の入院でした。
83歳の祖母が入院しているので、母はここしばらく病院通いをしています。といっても祖母は岡山県で入院しているので、母は岡山と大阪を行ったり来たりです。病院は完全看護で、おばあちゃんに話しかける以外することがないので、たいくつした母は、編み物をはじめました。

先日、母と一緒に祖母の病院に行った私も、つられて編み物をはじめました。

作り出したら、止まらない止まらない。
帰ってきても二人でせっせと編み物をします。
モデルをしていても休憩時間にすぐに続きを編んでしまいます。
母も家事をさっさとすませ、父が絵を描いているその横でずっと編み物をしています。

父は、いきなり訪れた編み物ブームに少々驚きながらも、この度のモチーフは編み物にしてくれました。
以前レース編みをしているところをスケッチしたデッサンが良かったので、そのままの衣装で。
続きが編みたくてそわそわしていた私は大喜びでモデルをしたのでした。

絵の中で編んでいるのは、男の子用のベストです。
2歳の宝君は元気いっぱい。走り回って写真を撮らせてくれません!
「セブンティーン」のモデルをしてくれた佐和子さんの長男宝(たから)くんへのプレゼントです。
ちなみに、佐和子さんのお姉さんは「小百合」などのモデルをしてくれた小百合さん。一番上のお姉さんのつやこさんも何作かモデルになってもらっています。そしてそのお母さんが情の厚い世話好きな大阪のおばちゃんで、私も妹も大好きなのです。「セブンティーン」は1987年の作品ですから、もう20年以上、家族皆で仲良くさせていただいています。

次の写真は佐和子さんの旦那様と長女の祈(いのり)ちゃん。
母が編んでプレゼントしたベストと靴下を着せています。
愛妻家で子煩悩の素敵な旦那様です。
| 家族 | 20:32 | - | - |
「清明賞」
昨年、母校の笠岡市立神内小学校に「瀬戸の秋」を寄贈しました。
→「瀬戸の秋」のブログはコチラ
それを記念し、、「清明賞」が生まれました。
毎年、1年から6年までの各学年で一人づつ、図画工作を頑張った生徒に贈られます。

先日1月24日、第一回「清明賞」の授与式が、神内小学校体育館で開かれました。校長先生の挨拶のあと、父が、受賞した生徒一人一人に表彰状と父が選んだ副賞(プロ用の画帳やクレパスなど)を手渡し、それぞれの作品について講評いたしました。

いもほり体験、校舎、お話などを題材にした子供たちの作品

小学校の先生より、事前に子供たちの作品をメールで送っていただき、私も父と一緒に拝見しました。みな、素直な気持ちでのびのびと描いた、とても楽しい作品でした。一生懸命絵を描いているという気持ち、絵を描いていて楽しいという気持ちが伝わってきました。そして、自分が子供の頃の無邪気な気持ちを思い出し、とても清々しい気持ちになりました。
あー、絵とは、見る人に素直な気持ちや幸せな気持ちを思い起こさせるような心のこもったものであるということが一番大切なんだなと、しみじみと思いました。

父は、最近の学校教育の中で、学問の方ばかり重要視して芸術の時間を縮小する傾向があることに疑念を抱いています。
絵、音楽、ダンスなどの芸術は表現力というものが大切な分野です。心がなければ表現はできません。また逆に、心がなければいいものを見ても、感動することができません。芸術の時間は、豊かな心を育てるための大切な時間なのだと父は言います。

この「清明賞」が励みとなり、学校をはじめ地域の人々が、芸術を通して子供たちの心豊かな成長を応援する環境を作り続けていってくだされば、それが何よりの父の願いです。

| イベント | 21:11 | - | - |